製品の反り、変形について

金型で固化成形された形状(製品)を取り出した後、設計形状(金型・図面)から変形する現象です。反り、変形は成形不良として見られるものの一つです。

この変形は金型キャビティ内で不均一な収縮差が発生する事で起こる現象となります。

不均一な収縮は温度、圧力の影響が大きく、金型に注入される溶けたプラスチックは冷えながら注入の圧力(射出圧)を受け金型キャビティ内に充填されていきます。

キャビティ形状によってはせん断応力を受け、その際は発熱し再溶融するなどして、やがてはパックと言う金型キャビティ内にプラスチックが満たされた状態になり、溶けたプラスチックの動きが無くなり冷えて固まります。

この時の、固化する際に時間差や圧力によって発生したプラスチックの密度の違いを抱えた状態も合わせ収縮差、残留応力の発現としてソリ変形となって現れてきます。

 

2色成形における反り、変形

さて、ここまでは1次材のみで成形をする単色成形と言われるものになりますが、2色成形ではこの1次材に更に2次材が成形しなければなりません。

2次材も1次材と同様にソリ変形を起こすのはもちろんのこと、さらに異材の組み合わせの場合、1次材との材料収縮率の差もソリ変形に表れてしまいます。

1次材の収縮率よりも2次材の収縮率が大きくなった時や小さい場合等ではより変形が出てしまう可能性が大きいです。

 

対策としては1次成形品の強度を上げるリブの設定や肉厚での調整等が考えられます。

〇2次材の方が収縮量が大きい場合

〇2次材の方が収縮量が小さい場合

〇反り、変形のイメージ