QCDから見た2色成形

QCDとはQ(クオリティ:品質)C(コスト:費用)D(デリバリー:納期)の頭文字を並べたものです。

2色成形を利用することのメリットをQCDの観点からご説明します。

製品コストの圧縮

2色成形の特徴を生かして製品コストを低減することもできます。

 

例えば、硬質プラスチック部品のパッキン溝に対して、ゴムパッキンのような部品を組み付けていくというような作業は大変工数がかかります。エラストマー(TPE)で可能な用途であれば、ゴムをエラストマー(TPE)に置き換え、組付け工数の低減をはかることでトータルのコストダウンにつながります。

エラストマー(TPE)でパッキン形状を2色成形し、組付工数の低減

(パッキン部分は通常黒色ですが、分かりやすさのため水色に成形したサンプルです)

パッキン部分にエラストマー(TPE)を利用しているためゴムのように柔らかい特性があります


次の例は金属+ゴム部品(金属に対するゴムの焼き付け製品)をガラス入りナイロン系の材料とエラストマー(TPE)で置き換えた例です。

この場合、金属およびゴムからの材料費の低減とゴム成形にかかる加工費がプラスチック射出成形によって低減されることで、大幅にコストダウンを実現できた例です。

製品リードタイムの短縮

先の例でも述べましたが、もし、2部品をアッセンブリする場合、場合によっては2つの部品を別のサプライヤーから供給を受ける場合もあります(例えば、PP部品をA社、ゴム部品をB社から供給。)。

ここで、物流その他により、リードタイムにロスが生じます。2色成形工法は同一のサプライヤーで同一サイクル内に製品が完成しますので、総合的なリードタイムの短縮、調達の手間が省けます。

人手不足問題による工数不足の解消

日本の少子高齢化問題によって、労働人口は年々減ってきております。

2色成形のアッセンブリレスという特徴を生かして、実際に人がモノを組み立てるという工程を少しでも減らすことができます。部品があっても、人がいない。また、定着せず、技能も向上しない…などの問題も2色成形は解決します。

製品外観の向上

シームレス化

世の中の製品はその性能が高水準でしのぎを削っており、消費者の決め手は見た目や触感が重要視されます。

2色成形を用いることによって、2材質の段差や継ぎ目のない、あるいは極めて少ない製品を実現することができます。

一体化

上記とは同じようなことですが、2部品を同色で2色成形化すれば、上記シームレス化に加えて、一体感が生まれ、どこで材質が変わっているのかよくわからないデザインも可能となります。

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