樹脂材料の特性の利用

2色成形に樹脂材料の特性を利用して、特定部分のみメッキをしたり、透過性を利用した意匠表現する事例をご紹介します。

選択メッキ法

メッキののるABS樹脂とメッキののらないPC樹脂の2色成形品を作成したのちに、メッキ工程をかけるとABS部分のみが選択的にメッキされます。加飾や導電性を利用した配線部品などに利用されています。

【活用事例】

・自動車関係

画像のクリア部分はメッキののらない材料(PC)で、銀色の部分がメッキののる樹脂(ABS)になっておりメッキされています。

光学的利用

透明樹脂に光透過性の劣る樹脂を2色成形し、光をあてると、透明部分のみが光ります。これは古くからオーディオのスイッチやボタンに利用されてきた技術です。透明樹脂を濃く着色しておくと、光が透過するまでは、表面に意匠は見えず、透過後、意匠が現れるという効果もあります。


クリア層が点灯している例


部品精度アップ

プラスチック部品は形状によって製品が収縮によってへこむ、いわゆる「ヒケ」が発生します。厚肉部分は収縮が大きく、ヒケが発生しやすい場所です。

しかし、プラスチックの強度を持たせるため、どうしても厚肉部分が必要であり、かつ、ヒケによって寸法が小さくなったりいびつになったりするのが困る、すなわち精度も必要という場合があります。このような場合、ヒケた部分に再度同材質で2色目の成形を行うことで、精度をアップする手法が考えられます。